がせっこ
こまったもんでがす
おらえの まごには
がせっこなくて
すぐがおってしまって

そいづはすんぺだね
うめものくわせで
せいつけさいん
ニンニクはきぎすつぉ

それがだめなのっしゃ
すぎきれおおくて
しょぐほそいべし
なじょすたらいがべね
困ったものです
うちの孫には
ひよわで
すぐ弱ってしまって

それは心配ですね
うまいもの食べさせて
精をつけさせなさい
ニンニクは効きますよ

それが駄目なんですよ
好き嫌いが多くて
食が細いし
どうしたらいいでしょうね
「がせっこ」は我勢または我精に指小辞
の「こ」がついた形で、本来は骨身惜し
まずよく働くこと、元気なこと、強いこ
となどの意味です。

これに否定の「ない」がついて、おもに
小児が発育が悪くて虚弱な形容に使いま
した。

「がおる」は我折るから来た言葉で衰弱
する、疲れる、しおれるなどの意味に使
いました。

今ほど食糧事情が良くなかったころは発育不全の子供が多く、幼児死亡率がた いへん高かったのです。それだけに母親もおばあちゃんも子育てに苦心しました 。

私も幼い頃はひ弱だったようで母親にずいぶん心配をかけました。頭にできも のだ出たり、疫痢にかかったり、普通は一度で済む麻疹(ハシカ)も二度やりま した。よくもまあ今まで生きてきたものです。

小学生のころの憧れは日露戦争で有名な乃木将軍のような軍人になることでし た。そのためには食べ物の好き嫌いをなくさなければならないと、母親に叱咤激 励されたのを覚えています。長じてから丈夫になったのは母のお蔭だと感謝して います。


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