2月下旬の閑話


[TAKESIの部屋] [旬の話題] [仙台方言あそび] [閑話365日]


2月25日()自然の恵み

庭にフキノトウが出てきた。刻んで味噌汁に放した。ほろ苦く食欲をそそる匂いがする。まだ走りであるが、たくさん出てきたら薄いころもをつけて天ぷらにすると、苦味が消えて鮮やかな緑色の総菜になる。

フキノトウに限らずタラの芽もコゴミも畑で栽培したものがパック詰めにして売られる世の中になったが、仙台はちょっと郊外に出れば手つかずの自然がまだ残っているのだから、天然のものを摘みに行くのが楽しい。足腰が弱って自然の中で枯葉の中に隠れているフキノトウを摘み、鋭い棘を気にしながらタラの芽を掻く楽しみから遠ざかって久しい。

スーパーで売られている山菜は味も香りも薄いように感じられるのは気のせいだろうか。どうもそうではないようだ。耕され肥料を与えた畑で育てられた山菜は、過保護でひ弱に育つのではなかろうか。そのために野性味が失われてしまうのだろう。

ミツバの根を庭に埋めて置いたら、それが野生化して種を飛ばし勢力範囲を広めた。時々積んで味噌汁の具にしているが、ゴワゴワして売り物のミツバとは違う食感であるが、厳しい環境で育つと本来の野性味を取り戻すようである。


2月26日(月)カラス

わが家周辺には2種類のカラスが住んでいる。ハシブトガラスとハシボソガラスである。カラスだから似ているが見間違うことはない。大きさも鳴き声も違う。からだが大きい方がハシブトガラス、やや小さい方がハシボソガラスである。

ハシブトガラスは体長が56cmぐらい。ハシボソの方は50cmほどである。鳴き声は前者が「カーカー」と澄んだ声であり、後者は「ギャーギャー」に近い濁った声で鳴く。両方とも雑食であるがハシブトは肉食の傾向が強いと言われている。近所に中華料理の店があり、そこで出す生ゴミの袋を食い荒らすのは、現場を目撃したことはないがハシブトであろう。身体が一回り大きいハシブトはハシボソを襲って捕食することもあるそうだ。

幼鳥から飼いならすと人間によくなつき、キュウカンチョウのように人間の言葉を真似ることもある。知能が優れていて銃や石で危ない目に逢ったカラスは、人間が傘を向けたり石を拾う仕草をしただけで逃げ出す。一見真っ黒に見えるカラスだが、光線の加減で青く光って見えることもある。きれい好きで近くの池で水浴びする姿を見かける。アリの巣に座ってアリにダニ退治をしてもらうこともあるそうだ。

子育て中は警戒心が高まり攻撃的になる。危険だと思うと人間に背後から頭を狙って飛びかかることもあるらしいので要注意である。


2月27日(火)転倒が怖い

仙台は今は晴れているが次第に曇って夜遅くには山沿いを中心に雪か雨になるらしい。せっかく道路の雪が消えたのにまたかと思う。坂道が多いところに住んでいるので雪道は怖い。若いころは何でもなかったのに、滑って転びはしまいかと心配する。

怖いと思うと身体がこわばって、ちょっと滑っただけでもバランスを崩し転びそうになる。老人は骨が脆くなっているのでいるのでちょっとしたことでも骨折する恐れがある。骨折が引き金になって寝たきりになる人も多いと言う。

寝たきりになると当然のことながら外界との繋がりが極端に少なくなり、そのことが脳の老化も早めることになるのではないか。脳に限らず体のどの部位も使わなければ動きが鈍くなる。先日は玄関の照明器具の切れた電球を交換しようと脚立に乗って上を向いたら危うくころげ落ちそうになってひやりとした。

この分では2階に上る階段にも手すりを付けた方がよさそうである。いつの間にか壁に手をついて階段を上り下りしていることに気づいた。老いは静かに人間の機能を奪う。間もなく米寿を迎える人間だからやむを得ない事なのかもしれないが転倒がいちばん怖い。


2月28日(水)カーリングの石

冬季五輪で長時間放映された種目にカーリングがあった。これまで特別な関心はなかったが、解説を聞きながら試合を見ていると、なかなか奥が深いスポーツであることが分かった。相手チームの狙いを読み得点を許さないように邪魔したり、反対に得点をさせて置いてから相手の石を弾き飛ばして最終的に勝利するなど見ていて飽きなかった。

競技で使う特殊な形をした石の産地はスコットランド沖に浮かぶ小さな無人島である。10数年前スコットランドを旅した時にバスに同乗していた現地ガイドが、カーリングに用いる石はアルサグレイグ島というその島でしか産出しない特別な花崗岩だと自慢げに紹介していた。

ところであの石の値段はいくらするのだろう。1個で10万円ほどだそうだ。カーリングは両チームの4人の選手が2投ずつ行うので16個のストーンが必要である。つまり1セットでおよそ160万円もするのだ。という訳で選手個人がマイストーンを所有することはない。ストーンはカーリングホールやカーリング協会などの団体が所有しているのだそうだ。

石は何度も使っているうちにクセが出てくる。それを覚えていて滑りをコントロールするのは並大抵の技ではあるまい。国際大会では公平を期すために大会主催者が用意した石を使うのだろうか。


inserted by FC2 system