たがる
となりの ぢんつぁん つぎたがった さげのみすぎだんだべ こびるの とーぎみさ はえたがった あまくてうめーがらね あのひとへんでねすか たがったんだべが めつきおがすねもの |
隣の お爺さん 中風になった 酒のみ過ぎたんだろう おやつの とうきびに ハエが集まった 甘くてうまいからね あの人変じゃない 気がふれたんでしょうか 目付きが怪しいもの |
「たがる」は自動詞で集まる、(病気に) かかる、気が狂う、などの意味があります。 古語の「たかる」から転じたものと言われ ます。古の都から離れた地方には古い言葉 が残っている例がたくさんあります。 木に毛虫がたがる、餅にカビがたがる、な どは古い使い方です。共通語にも「人だか り」などの形で残っています。 この動詞が名詞化した「・・たがり」はい い事には使いません。例えば「欲たがり」 (欲深い人)「神経たがり」など。 |
単に「たがる」といえば脳卒中になることを意味しました。それほど多い病気 でした。同じ事を「ござった」ともいいました。形のないものが取り付く「たが る」はいわゆる憑依を現し、キツネつきになった、気が変になったなどの意味で 使いました。「こびる」と言うのは「おやつ」としておきましたが、お百姓さん など肉体労働をする人が、エネルギー補給のために朝食と昼食の間に摂る軽食の ことです。長野県では「おこひる」というそうです。多分「小昼」から来た言葉 でしょう。