たんがぐ
あづいあづい ひるさがり アリのぎょうれつ どごさいぐ てんでに たわら たんがいで だまっていそぐ さかのみち あづいあづい ひるさがり ひるめしぬきで あせながし なんでそんなに いそぐのか そろってわたる まるきばし あづいあづい ひるさがり あだらしいえさ ひっこしだ にもつのたわら こどもだと ぞろぞろあなさ へってった |
暑い暑い 昼下がり アリの行列 どこへ行く それぞれ 俵を担いで 黙って急ぐ 坂の道 暑い暑い 昼下がり 昼飯抜きで 汗流し どうしてそんなに 急ぐのか 揃って渡る 丸木橋 暑い暑い 昼下がり 新しい家に 引っ越しだ 荷物の俵 子供だって ぞろぞろ穴へ 入って行った |
「たんがぐ」または「たがぐ」の ”が”は鼻濁音で発音します。 大きな物を両手で持ち運ぶ、ある いは持ち上げる、担ぐなどの動作 をあらわす動詞です。 「てんでに」は「てんでんに」と もいい、各々、別別にをあらわす 副詞です。 「え」または「えー」は家のこと です。 |
「たんがぐ」は日常よく使われていました。重い荷物を運ぶ時「たんがいです
けさいん」(手を貸して運んでください)のように。単に「持つ」とはニュアン
スが違います。小さな物あるいは軽い物を持ち運ぶ場合には「たんがぐ」は使わ
なかったように思います。
アリが自分の何倍もある獲物を運んでいる様はまさに「たんがいている」感じ
です。遊び相手がいない時、アリの行列を何時間も飽きずに眺めていた幼いころ
を思い出しました。