とぜん
とつぜん とぜんが やってきた こどもら みんな まちさでた えのなが きゅうに しんとなった とぜんで とぜんで なじょすっぺ ゲートボールは やんだしなー なんにも すっこど ねぇぐなった むがしは いがった としょりにも なんだりかんだり ようあった なんとも とぜんで かなわねー |
突然 寂しさが やってきた 子供らみんな 都会へ行った 家の中 急に静かになった 退屈で 寂しくて どうしよう ゲートボールは いやだしなー 何も すること なくなった むかしは 良かった 年寄りにも なにやかや 用事があった どうにも寂しくて 耐えられない |
とぜんは古語の徒然 の音読みである。 退屈な様子、寂しい さまを現わすが、仙 台地方では寂しいの 意味で使うことが多 い。 この言葉は宮城県の ほか福島、山形、秋 田の一部でも使われ ているという。 |
子供が独り立ちし核家族化が進んで、とぜんな老夫婦が多くなりました。子供
の家族や孫に囲まれて暮らせる老人はしあわせです。
かつては2世代、3世代同居が普通で、老人は孫の面倒を見たり、繕い物をし
たり家の中でそれぞれの役割を持っていましたが、独居老人は本当に寂しいでし
ょう。病院通いが唯一の楽しみというのでは困ります。
濃密な近所付き合いがなくなったことも、老人をとぜんにしています。かつて
は家の作りが開放的で、散歩する老人を見かければ「上がってお茶飲んでいがい
」(入ってお茶を飲んでいらっしゃい)などと声をかけたものでしたが、今の家
は他人を寄せ付けない雰囲気を持っていると思いませんか。
とぜんは老人の専売特許ではありません。友達が作れないとぜんな若者も増え
ています。人間は社会的な生き物ですから、とぜんは精神衛生上もよろしくあり
ません。