ちょす
ちょすなってば ちょすな こわしたら なじょすんの でぇーずな ものなんだがら ちょすな ちょすんでねぇ けがすっから やめさい そのはもの きれんだがら ちょすてなんね ちょすな なんべんいったら わがんの なんだて てそずらすいんだべ |
いじるなってば いじるな 壊したら どうするの 大事なものなんだから 触るな 触るんじゃない 怪我するからやめなさい その刃物 切れるんだから 触っちゃいけない 触るな 何度いったら 分かるの どうして 弄り回すのだろう |
「ちょす」の語源はいろいろな説 があってよく分かりません。でも 東北から関東にかけて広い範囲で 使われていたようです。 仙台では、手を振れる、弄ぶ、い じる、などの意味で使いました。 |
子供はどんなものにも興味津々です。対象が物であれば、まず観察する、触っ
てみる、蓋があれば開ける、中身を取り出す、それをいじくる。だいたいこんな
コースをたどります。それが大人にとって大切なものだったら、さあたいへん。
たちまち取り上げられます。大人がいろいろな刃物を使って何かを作っている。
子供は見ているだけでは我慢できなくなって、置いてある刃物に手を伸ばす。途
端に「ちょすな」と叱責されます。このように子供が物珍しさに引かれて手を出
す様子を「てそずらしい」と言います。実際の発音はテソズラスエに近いもので
す。
大人になると「てそずらすく」なくなるのはなぜでしょう。あの探求心を持続
すればひとかどの人間に成れるでしょうに。